 出資法って?
貸金業者の上限金利を規制したもので、「出資の受入れ、預り金及び金利などの取締り」に関する法律の事です。この出資法の上限金利を守らない貸金業者は、刑罰に問われます。平成12年6月1日、出資法改正が施行され、それ以降に結ばれる契約については、上限金利が29.2%まで引き下げられました。
 利息制限法って?
借金の利息についての法律の事で、この「利息制限法」によって利息の上限が制限されています。借り入れた時点の元金の額に応じて、上限金利が下記のように段階的に規制されています。これを超えた部分については本来、法律上無効となります。
100万円以上 ・・・ 年15%
10万円以上100万円未満 ・・・ 年18%
10万円未満 ・・・ 年20%
なお、支払いが遅れた時に生じる延滞利息(遅延損害金)については別となります。
 グレーゾーンって?
民事上、利息制限法の上限金利を超えれば無効となりますが、出資法の上限金利より低ければ刑事罰にはあたりません。その間の事をグレーゾーンといいます。
 貸金業者の種類はどんなものがあるの?
【サラ金】
通常、50万円以下の小口の貸付を、担保・保証人なしで実行する貸金業者の事です。「サラリーマン金融」の略称ですが、消費者金融ともいいます。近年各地にサラ金による自動契約機が設置され、運転免許証や健康保険証などの身分証明書を持参するだけで、短時間に審査を受ける事が出来、借入可能となっています。利息は年に30%弱です。
サラ金は、スピード審査や無担保・無保証という便利なものですが、安易に頼ってしまうと、利息を返す為、雪だるま式に新たな借金が増えて、多重債務に陥ってしまいます。
【信販会社】
主に売買代金の立替払いをする金融を行っている業者の事をいいます。一般にクレジット契約をして、買物の際にカードを示す事で、立替払いを受ける形式のものが多く、利息は年に20%位です。現金払いと同じような感覚で買い物をする事が出来、便利な反面、借りる側は、借金をしているという自覚があまり感じられなくなる為、安易に利用額を増やしがちになります。
その為、信販会社のカードでショッピングを繰り返しているうちに、支払いが難しくなり、別の会社やサラ金に手を出したりして、多重債務に陥るという事がよくあります。
【商工ローン】
商工業を営む自営業者に対し、数百万円から数千万円という大口の融資を行う貸金業者で、融資条件として、堅い勤め先の連帯保証人が必要となります。金利は、出資法の上限金利である、29.2%という高利となっています。
【ヤミ金融】
違法な業者の事で、上限金利を超える高利で金を貸します。出資法という法律においては、刑罰をもって禁止されています。
【日掛(ひがけ)金融】
日掛屋などとも呼ばれますが、正式な名称は日賦貸金業者といいます。年利54.75%もの高利を、出資法の上限金利の例外として取る事が認められている業者です。
ただし、日賦貸金業者として認められるためには、以下のすべての条件を満たす方法で営業している事が必要となります。
- 物品製造や物品販売、サービス業などの小規模な事業者だけを相手にする事
- 借金をしている事業者の営業日または住所において、返済期間の5割以上の日数にわたり、貸金業者が自ら集金して取り立てる事
- 100日以上の返済期間がある事
さらに日賦貸金業者は、上記の条件をすべて満たす業務以外の方法で貸金業を営む事は禁じられていますので、日賦貸金業と普通の貸金業とを兼ねる事は出来ません。つまり、サラリーマンなどに貸し付けを行うことは許されないという事になります。また、返済方法を銀行振込とする事も出来ません。
 多重債務って?
同時に複数の貸金業者などから借金をする事で、返済に追われている状態をいいます。多重債務に陥った場合、返済は日を追うごとに困難となっていきます。
 貸金業者の取り立て(通常)は?
通常、貸金業者は電話や訪問による督促によって取立てを行ないます。多重債務を抱える者の場合は、一日数回ずつ各貸金業者から電話を受けただけでも、対応に追われる事となり、通常の日常生活を送る事が困難になります。
この為、金融監督庁は、取り立ての規制を設け、以下のような行為を禁止しています。
- 午後9時から午前8時の間に、電話や訪問などを行なう事
- 電話や訪問を反復継続して行なう事
- 大声をあげたり、乱暴な言葉を使ったりする事
- 多人数で押し掛ける行為
- 暴力的な態度をとる事
- 勤務先を訪問して嫌がらせを行なったり、不利益を被らせる事
- 弁護士に債務処理を委任した旨の通知や調停、破産、その他裁判手続きを行なった事の通知を受けた後にもかかわらず、支払い請求を行なう事
 貸金業者の取り立て(法的手段)は?
法的手続きは、法律に沿って進められるものなので、正確な知識を持っていれば、落ち着いて対処する事が出来ます。
具体的には、支払い督促、仮差し押さえ、訴訟や強制執行(差し押さえ)の事です。また、借金を返せなくなったからといって、刑事処罰を受ける事はありません。詐欺罪は、返済する意思が最初からないのに、必ず返済すると偽って借りた場合に成立します。
【支払督促】
簡易裁判所が債権者の申し立てを受けて、支払いを命令する文書を送ってくる手続きの事です。
債務者にも言い分がある場合には、支払督促に同封されている異議申立書を提出すれば、その後は通常の訴訟手続きに移行します。異議申し立ての期限は、2週間しかありませんので、弁護士に相談する場合などは、早めの対処が必要となります。
もし2週間以内に、債務者が異議を申し立てない場合は、簡易裁判所から判決と同じ効力を持つ、仮執行宣言付支払督促というものが送られてきます。仮執行宣言が付いていると、それに基づき、債務者の財産を直ちに差し押さえる事が出来ます。これに対しての異議も、申し立てる事は出来ますが、強制執行を停止させる為、別の手続きが必要となってしまいます。
【仮差し押さえ】
裁判中に将来差し押さえる事の出来る財産が隠匿、散逸されるのを防ぐ為、あらかじめ財産を暫定的に差し押さえておくという手続きの事です。
貸金業者は、主に給料や不動産を仮差し押さえの対象にしています。
【訴訟】
裁判所に債権者が訴え出て、支払いを命令する判決を債務者に対し、出してもらう手続きの事です。
訴訟は、非常に高度な専門知識を必要とする為、素人判断で対処する事は事実上不可能です。放置して、裁判期日に欠席すると、債権者の主張どうりの判決が出てしまう事になります。もし、貸金業者から訴訟を起こされた場合は、弁護士に直ちに相談し、然るべき対処法を検討する必要があります。裁判所は、双方の言い分を聞いた上で、債権者の言い分に利があると判断すれば、支払いを命じます。
【強制執行(差し押さえ)】
仮執行宣言のついた支払督促や判決に基づいて行われるもので、債務者の財産を差し押さえてそこから弁済を受ける手続きの事です。
貸金業者が通常差し押さえをかけてくるものは、給料と不動産です。給料の差し押さえについては、原則としてその4分の1が債権者に取られます。 家財道具の差し押さえについては、動産執行という特別な法的手続きを取る必要があります。
動産の中でも、生活必需品については、差し押さえが禁止されているので、現実には普通の暮らしぶりの家にある動産は、ほとんど差し押さえが出来ないようになっています。不動産の差し押さえについては、不動産を競売にかけ、その代金から弁済を受ける手続きの事です。
法的手続きとは、最終的に、この強制執行を目的にしているといえます。
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